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アイテム情報 | 「ブータン、これでいいのだ」

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Yasufuku Hiromi

このアイテムを2012年08月06日に読み終わりました

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ブータンと言ってまず思い浮かぶのは「幸せの国」というイメージ。
GDPではなくGNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)を最大化させる事を、国づくりのビジョンとして掲げています。

ついついその事ばかりに目がいってしまいがちですが、そもそも「国民の幸せ」を目指さない国づくりってなんなんだよ?
日本だって、他の国だって、政治家の皆さんは国民が幸せになる為の政策を考えてくれている。(はず)

ブータンだって、GNHの向上の為にGDPの向上を目指している。
昔ながらの生活を守りつつも、経済的に豊かになる事、近代化する事を否定しているわけではない。
車だって、PCだって、iPhoneだって、他の発展途上国より普及しているし、
海外留学経験者が多く、CNNなどの英語ニュースを見る人も多く、世界の情勢にも精通している。

だけど、「GNHの最大化を明確にビジョンとして掲げている」事は、やっぱり他の国と一線を画する所でもある。
何より外国から見た国のイメージが全然違ってくる。
もしブータンにGNHの最大化というビジョンが無ければ只の発展途上国だ。
又、内部に向けても、国民が自国に対して愛着と自信を持つ一因となっている。

GNHの最大化をビジョンに掲げる国の国民は、それだけで幸せになっているわけではない。
元々私達日本人より幸せと感じる領域が広いらしい。
家族の幸せは自分の幸せであり、友人の幸せも自分の幸せである。
日本人が幸せの秘訣を探してブータンに行っても、幸せを見つけられないのは
日本人の幸せゾーンがとても狭いからなのかもしれない。

幸せの国のGNHコミッション長官から、幸せになるための秘訣を1つ。
「幸せになろうと思ったらね、自分の幸せを願ってはいけないんだ。自分の幸せを探し出したら、どんどん、幸せから遠ざかってしまうよ」
ブータンでは、自分の幸せを祈る人はまず居ないらしい。
日本では、親が子の幸せを願う事はあっても、友人や職場の同僚の幸せを願う事はまずないだろう。
人の幸せを願い、もっと喜べるようになったら、日本人ももっと幸せになれるのだろうか?

もしそうであるなら、なぜブータンの人は人の幸せを自分の幸せと捉えられるのか。
それは人と人、家族間の繋がりが強い事が大きく関係している。
ブータンではだいたい17時頃には仕事を終えて、後は家族と過ごす人が多い。
19時まで仕事をしている人はワーカホリック。
家族と過ごす時間がないなんてとても不幸なことらしい。

ならば日本人も、家族と過ごす時間を増やせば幸せになれるのではないか?
もし日本にGNHコミッションがあったなら、
「仕事は17時に終わって、みんな家に帰って家族と過ごしなさい。」という条例でも作るのだろう。
伝統的なお祭りに参加する事が幸せに繋がるという意見を元に、
「地域の伝統行事の日は祝日とする」という法律を作ったのだから。
法律なんてなくったって、家族との時間を増やすことは出来るはずではあるのだけれど。

どんな方法であれもっと日本が、日本人にとって幸せを感じられる国になればいいな。
そしてブータンの人のように「日本、すごいいい国だよ!」と国民が口を揃えて言えるようになるといいな。
そうなる為のヒントがこの本に隠れている気がする。

この本を読んで意外に思ったことは、「ブータンの人はストレスをかけると切れやすい。」という事。
小さな村で、みんな知り合いで、お互い大概の事は許し合って暮らしてきた人が、
例えば遅刻した事を注意されただけで、怒られた事にびっくりして切れるらしい。
プライドが高いせいでもある。
ちょっと、現代日本の子供みたいだなぁ。

ブータンの人はプライドが高いせいで肉体労働はしない。
誰がするかというと、インドからの安い労働者。
インドからの援助に頼っているブータンで、インド人が安い労働力として働いている。って不思議な構図。

この本を読んで、今まで勝手に持っていたブータンのイメージとは違う部分も多い事を知った。
国についてなんて難しそうな内容なのに、さらっと読めてわかりやすい。
この本を書いた人は相当に頭がいいはず。
文化の違いなどいろいろ面白く、考えさせられる部分もあり、とても良い本でした。

ブータン
行ってみたいな。。☆

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Yasufuku Hiromi

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